首都直下型地震の予想発生確率のニュース

M7級首都直下地震、4年内70%…東大地震
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120122-OYT1T00800.htm

首都直下型地震の発生確率のニュースについて今朝からずっと頭に引っかかっている。もちろん、今回の予測をどこまで真剣に捉えるべきか現状では分からないけれど、それを含めてもなお非常に大きなリスクであることは確か。
 まず、実際にどの程度のリスクなのか交通事故と比較してみる。
 地震は一度起きたらしばらくは起きないので、4年で70%だと一年以内で17.5%、一ヶ月以内で1.5%、24時間以内に起こる確率は0.05%となる。政府予測によれば首都直下型地震の予想死亡者数は最大で1万人なので、今後24時間以内に地震が起きてそれにより死ぬ確率はワーストケースで0.00005%。
 それに対して、平均的な日本人が今後24時間以内に交通事故に巻き込まれる確率は0.003%、それにより死亡する確率は0.00003%。
したがって、純粋に生命リスクで考えるに現状では交通事故よりちょっと危ない程度である。実際に人口10万人当たりの原因別死亡者数を見るに、自殺24人、交通事故9人に対し、地震5人(阪神淡路大震災の起きた95年のデータ)であり、上の予想と対応している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%80%9A%E4%BA%8B%E6%95%85

 しかし、地震のリスクは死亡リスクだけではなく、負傷、火災、家屋倒壊、インフラの壊滅など広範囲に及び、一度地震が起これば少なくとも数ヶ月は正常な生活を送ることが不可能となる。なによりも阪神淡路大震災東日本大震災とを思い起こすにあんな悲劇がまたも繰り返されるのは何としてでも避けたい。
 ただ実際問題として東京脱出は難しいというのも事実。まず情報が不確かだし、上述の通り死亡リスクはあまり高くはないので、行動に出る障壁が高い。加えてどうしても「多数派同調バイアス」と「正常性バイアス」とがはたらいてしまう。
http://www.bo-sai.co.jp/bias.htm

 僕個人としてもとりあえず、複数のソースから直下型地震の発生確率が異常に高い水準であることが確認できるまでは様子見としたい。でも、リスクの存在が明示的に示されている以上、東京にとどまることは自己責任となるのではないだろうか。もちろん、政治的・道徳的観点からするに見捨てられることはあり得ないが、日本の地方や国際社会に十分な余力があるとも思えない。それに何もせずにXデーを待つだけというのは馬鹿らしいわけで。